脳の組織のされ方(インストール)

「<二分心>の時代には、ウェルニッケ野に相当する右(劣位)半球の領域には精密な<二分心>の機能があったが、発達の初期段階で<二分心>が生まれてもその発達が阻害されるような心理的再組織化が1000年にわたって行われ、この領域は異なる機能を持つようになった‥。

ここで論じてきた例は‥脳の組織に機能は絶対的なものではなく、発達のプログラムが異なれば組織構造も異なったものになりうることを示唆している。」(同,p.155)

「<二分心>とは社会統制の一形態であり、そのおかげで人類は小さな狩猟採集集団から、大きな農耕生活共同体へと移行できた。<二分心>はそれを統制する神々とともに、言語進化の最終段階として生まれた。」(同,p.156)

「普通一匹一匹は、群れ全体の行動パターンを外れる場合には、自分の基本的生理機能の欲求にさえ応じない。例えば、喉が渇いたヒヒは、群れから離れて水を探し求めたりはしない。‥喉の渇きは、群れの行動パターンの範囲内でのみ癒される。」(同,p.157)