「存在・神学」を主体における断層面として考えて見る(2)
人間が生きる営みにおいて、「経験」と「予期」という契機が働いているには違いない。
「過去」を「経験の空間」、「未来」を「予期の地平」とし、それぞれに「存在」と「神学」対応させることとする。(ラインハルト・コゼレクの表現)
存在 ・ 神学
過去 経験の累積・記憶 未来 予期の地平・希望
具体的内容 実質を欠いた方向性
「現在」(時系列に整序された物語)
「神学」の場所に「進歩」という観念を置くことは、デタラメという世界(「存在」・「経験」)を、現在において「改変」し、未来において「調和・統合」しうるものとして幻想・予期することを意味する。
「存在」は「現在」において「神学」と重ね合わされ、寓意的に解釈されるだけで、現実的に救済しようとすることは回避されねばならない。つまり救済は予感に留まらなければならない。(偶像崇拝の禁止)
人間の営みとしての「存在・神学」は、断層のまま「現在」という緊張関係に留まり続けなければならない。